医学生わくばの欲張り技術ブログ

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医者・医学生がプログラミングを学ぶ意味〜飯塚浩也先生のAntaaライブを見て〜

 わくばです!

 

 僕は「Antaa」という団体に参加していて、昨日Antaaのライブで飯塚浩也先生が登壇していらしたので、そのライブの感想を備忘録の意味も込めて記事にしようと思います。Antaaというのは医師や医学生を繋げるプラットフォームのようなもので、医療関係のイベントをよくやっている団体です。

 飯塚浩也先生は医師として八年間業務を経験した後、エンジニアとして仕事をはじめ、現在株式会社BeatFitのCTOをされているそうです。エンジニアへ鞍替えする前に、いろいろと苦い経験をされているのですが詳細は割愛させていただきます。ライブ動画はアーカイブされているので、ご興味のある方はぜひAntaaに参加しライブを視聴してみてください。

https://med.antaa.jp/online-event_BeatFitCTO-Dr.iizuka2020.07.29

 

  以下の内容はあくまで僕個人の感想であってこのライブの要約ではないことに注意してください。

 

 

感じたこと 

医者が直接エンジニアにモノを頼むのは簡単ではない

 そもそも仕事を頼めるエンジニアを見つける事そのものが容易ではないみたいです。飯塚先生ご自身もあちこち回ってやっとお話をきいていただけたようですし。それに問題はその後で、実際にエンジニアの方にお話を聞いていただけたのは良いものの、納期はどうか、デザイナーはどうするのか、スケジュールやタスクはどうなっているのか等詳細に聞かれたそうです。こういったことと予算をすり合わせていかないと当然エンジニアの方も動いてはくれません。正直こんな事、臨床で働いている医師が聞かれてどのくらい答えられるでしょうか。たとえITリテラシーがあってもエンジニアの業務経験がないと難しいとは思いませんか。

 僕自身プログラミングの勉強を現在進行形でやっているわけですが、「プログラミングスキルは外注でなんとかすれば良い」という意見に対し正直何も言い返すことができていませんでした(言い返すという表現はおかしいんですけどね笑)。そりゃすぐエンジニアにお願いしてこちらの思うようにことが進むのならそれが一番です。医療現場だって人手不足ですから。しかし上記のように提案する側にも知識が必要なのだとあらためて感じました。お願いする側なのに、「IT関連の話はようわからんからいい感じに頼む」という態度はできませんよね。必ずこちらの意図や要求を正確に伝えながら、向こうの意向にもしっかりと気を配らないといけません。IT素人にはかなり難しいと思います。

 

エンジニアがやっているのはビジネスである

 当たり前ですけど見逃していました。特に僕はまだ学生なのであまり医療業務の本質がわかっていないところがあったので、、、、。根本的にはエンジニアの仕事は営利活動であり、医師は非営利(厳密に言うと違いますがマインドは非営利の側面が強いと思います。)であるということです。多くの医師にとって「誰かを救える」というのは十分な動機になりえるのですが、それがエンジニアにとって金にならないことであればエンジニアは動きません。それはそうですよね。IT業界だって人手不足です。足りないマンパワーを知力と利益でなんとかしながら機能させていることでしょう。利益の出ない仕事をしている暇はないのです。

 ある問題をIT技術を用いて解決したい時、それを解決することがどんな利益になるのか、そこをIT技術に関する理解も合わせて営業するスキルがないとエンジニアの協力を得ることは難しいでしょう。

 

医者になってからITリテラシーを身につけるのはかなり腰が重い?

 これは飯塚先生が直接おっしゃっていたわけではありません。飯塚先生のお話から僕が察した事です。先生は最初、30人ほどITに興味のある医師を集めて活動をしているようでしたが、結果的に解散してしまったとおっしゃっていました。これは結局誰も自ら技術を身に着けようとしなかった、もしくはそういった時間的・体力的余裕を作ること困難であったからではないでしょうか。臨床や研究業務をこなしながら、初耳情報や横文字まみれのIT分野の勉強に踏み込むのは相当な意志力が必要なことは想像に難くありません。もしくは意志力を上回って余りあるメリットが見込まれないと、医師になってから勉強を始めるのは容易でないでしょう。これだけでも医学生がITリテラシーを学ぶ意義はあるのではないかと思います。

 

ビジネスにはならないけどIT技術の導入で改善できることはたくさんある

 ちょっとしたことだけれど、IT技術を導入することで大きく改善できることって実は臨床現場にたくさんあるのではないかと思います。こういったことがなぜ放置されるのか、それは既に説明したように大きな利益が見込まれないというのもあると思います。ですが実は「IT技術を導入してみよう」と考える医療従事者が少ないというのも大きいのではないかと思います。もし現場にそういった技術を持つ人が一人でも多くいれば、些細な問題でもIT技術で改善できることに思い至り、より現場がよくなっていくのではないでしょうか。そしてそういった何のことはない発明が意外と現場の業務能率を大きく変え、莫大な利益を産むこともあるのではないかと思います。

 IT技術に精通した人が医療現場で働くことは、実はかなり価値を産むのではないかと考えて(妄想して)います。笑

 

人を集める力の重要性

 医師がエンジニアに外注するにしても、医師だけでなにか開発するにしても、同志を集める力が重要と感じました。飯塚先生の説明では個の力を高めることで、同じように強い個の力を持った人が集まってくるとおしゃっていて、しきりに「個の力」と「集団の力」をつなげてお話をされていました。おっしゃるとおりだなと感じました。以上の項目の内容も含めて、技術をもつ人々を集める力の重要性を痛感します。そのためには自身ががまず力をつけないといけませんね。

 

最後に

 以上の話はあくまで僕が感じたことで、別に「医師はIT技術を身につけるべきだ」と一般論を述べているわけではありません。プログラミングやIT技術に興味がない人はやらなければよいだけだと思います。やらなくても生きていけますし、プログラミングを学ぶべきかはその人の目的や背景によると思いますので。でももしプログラミングに興味のある医療関係者がいましたら以上の話を是非参考にして、勉強をはじめてみるか考えてみてほしいです。

 なんというか僕は「プログラミングスキルをぜひぜひ医療現場に活かしたい」というバイアスがかかっているので、なにぶん主観的な部分は散見されるかと思いますがご勘弁を笑

 ぜひご意見等お聞かせください!! では。

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